ボクが住んでいるのは太平洋に浮かぶ、小さな島のような国です。

大きさは約140キロ平方メートル。人口は1万弱。

気候は温暖で変動しても夏にはちょっと熱く、冬は少し肌寒いくらいにしかなりません。

回りを囲む海はいつも荒れていてこの国に人が訪れることは今までありませんでした。

そのため島は発展することもなく農業と漁業しかすることがありません。おかげで食料自給率は100%を越えています。

国民はみんないい人たちで、連帯感が強く犯罪なんてものもありません。

固有生物は猫に似た『クーケット』という生物がいます。とてもかわいいです。



あ、申し遅れましたがボクは・デバンジェといいます。

性別は男。黒髪藍目で、身長が中々伸びないのが悩みです。



そして職業は、このデバンジェ国の『国』をしています。





愛し恋し貴方様へ 01





温かい風に頬を撫でられ目が覚める。

今日もデバンジェは晴れのようで、寝ぼけながらもいい農作業日和だと笑んだ。

デバンジェでは農業や漁業以外やることがなく、雨で作業が出来ないときは皆で集まって飲み明かします。

布団の上を転がり、窓から見える太陽に向かって大あくび。





「こら、いつまで寝てるんだ。」

「いて・・・」





頭にチクリと刺さる爪と柔らかい肉球。

自分の手をボクを起こすのに使われたクーケットのムゥは、先だけが箒のようにばさばさと広がった尾を不快そうに振りながら男の人の手から抜け出した。

クーケットは朝弱いからなぁ・・・マットの上で寝ていたところを起こされたのも不快の理由の1つなんだろう。

男の人はムゥに「ありがとなー」と手を振り、またこっちを向いて起きろといった。

この人がボクの国の王様、リーオ・デバンジェ。

『王』と言っても立派な宮殿も財産もありません。

リーダーや隊長、といったほうがしっくりくるかも。





「おはようリーオ。もう起きてるよ。」

「おはよう。起きてるっていうのは起き上がって活動してること言うんだ。

 ごろごろ寝てるのは起きてるうちには入らねーぞ。

 ほら今日は布団干すから、動け!」

「ぎゃーっ!!!」





布団の端を掴み、リーオは勢いよく引っぱる。

床に敷いてあったそれを引っぱられれば上に寝ていたボクも反動で転がり、1メートルはあった壁との距離をコンマ5秒で顔面から0にした。

木で出来た家の壁は中々に痛い。今よくわかった。





「いった〜・・・顔つぶれちゃうだろ!」

「悪い悪い。それ以上鼻つぶれたら何処が鼻だか分からなくなっちまうな!」

「ひどっ・・・!このやろ、リーオも大して変わんないだろー!!」

「オレはお前みたいにちっせぇことは気にしねぇんだよ、ちびっ子。」

「む〜・・・」






この国の男性の平均身長は170cm。リーオはそれを軽くこして180cm以上ある。

ちなみにボクの身長は155cm。

リーオとは頭一つ分も違い、それでよくからかわれてるんだ。





「おっと、そうだ・・・

 明日の昼過ぎくらいにアーサーが来るってよ。」

「アーサー?なんのようだろ。休暇でも取れたのかな?」

「さぁな。オマエに話したいことがあるってことだけ手紙に書いてあったから。

 あとは本人から直接聞け。 」





それからいい加減におきろ、とまだ転がっていたボクに蹴りが入る。

力は抜いてたようで全然痛くなかったけど、国を足蹴にするって・・・国民としてどうなんだろ。

疑問を抱きつつ今日もお仕事をするために、ボクはやっと起き上がった。